カメレオンの舌「長年の謎」解明

カメレオンのムチのように動く舌の優れた能力については、長年にわたり広く研究がおこなわれてきたそうだ。しかし、ある特定の能力だけはこれまで謎だったという。それは、どのようにして獲物を掴んだままの舌を素早く元の口の中に戻せるのかということだ。
これまでに提唱された仕組みには、吸引や粘り気、カメレオンの舌の粗い表面と獲物の体表間の「面ファスナー作用」など、さまざまなものがあった。カメレオンは、自身の体重の3分の1までの重さの獲物を下で捉えることができるそうだ。
ベルギーとフランスの研究チームが20日に発表した研究結果によると、謎の答えは舌先にある粘着性の粘液だという。この粘液は粘度が非常に高く、人の唾液のほぼ1000倍に達することが分かったそうだ。
研究チームは今回、このように高い粘度を実現すると考えられる接着性を算出するために数学を用いた。測定の結果、多くの従来説に反してその粘着力の高さは、カメレオンがそれほど大型の獲物を引き寄せることを可能にするのに十分すぎるほどだとのこと。
だが、疑問が一つ残る。カメレオンが獲物を飲み込むために、捕まえたものをどのようにして粘つく舌から離すのだろうか。これに対して研究チームのダンマン氏は、舌から剥がすために、口内のどこかから分泌する粘り気のない「通常の」唾液を用いる、あるいは単に粘着性が自然に弱まるのを待つのではないか、という仮説を提唱しているという。
粘着力に関しては、獲物の昆虫を舌で引き寄せるのが強くて速いほど粘着が強くなると研究チームは説明する。これは舌が弛緩するにつれて、粘着力も同様に緩くなり、最終的に消滅するためだそうだ。これにより、カメレオンは自分の舌を噛まずに獲物を飲み込むことができるのだという。
大きな獲物でも舌で捕らえて口の中に入れるあの早業はそんな秘密があったなんて、知らなかった。